作家つながり

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又吉直樹:上京先のアパートが、太宰治の自宅跡だった偶然

『火花』で芸人初の芥川賞を受賞した又吉直樹さん。中学以来の太宰治ファンとして知られますが、文学との距離を縮めたきっかけには、住まいにまつわる驚くべき偶然がありました。

大阪から芸人を目指して上京した又吉さん。当初は荻窪を希望しつつ、物件の都合で三鷹の築年数の古いアパートに住むことになります。中学時代から太宰に心酔していたとはいえ、当時は「三鷹=太宰の街」程度の認識で、正確な旧住所までは知らなかったといいます。

住み始めてから地図を頼りに墓所やゆかりの地を辿り、三鷹図書館などで調べたところ——自分が暮らすアパートの土地が、太宰が暮らした家の敷地跡だと判明した。withnewsのインタビューなどでも「あ、家、ここやったんや」と気づいた瞬間が本人の言葉で残っています。後年の取材でも「本当に偶然」と振り返っています。

三鷹には太宰をはじめゆかりの作家の文庫が店頭に多く、土地柄そのものが読書を後押しした、とも語られます。好きな作家の土地に、知らぬまま根を下ろしていた事実は、その後の読書と創作への没入を象徴するエピソードです。

『火花』の成功や芥川賞の話題の手前に、この「住所の奇縁」がある。ファンとしての誠実さと、物語めいた偶然が重なったとき、人は文学にもっと近づく——そう思わせる豆知識です。

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