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作品・制作の裏側伊坂幸太郎:複数作品をつなぐ「黒澤」という最強のジョーカー
伊坂幸太郎作品を読む醍醐味のひとつが、ある作品の登場人物が別の作品にもひょっこり姿を見せる、というゆるやかな繋がりです。その代表格としてファン人気が高いのが、独自の美学を持つ泥棒・黒澤です。
黒澤は「プロの空き巣」でありながら、「人がいる家には入らない」「無駄な暴力は嫌う」といった徹底した美学を持つ人物として描かれます。なぜか盗みの先で怪事件やトラブルに巻き込まれ、鋭い観察と冷静な判断で(本人の意図とは裏腹に)事態を動かす——泥棒でありながら探偵めいた立ち位置が魅力です。
初登場は『ラッシュライフ』。以降、『フィッシュストーリー』『首折り男のための協奏曲』『残り全部バケーション』『ポスティング女の滑稽な冒険』など、長編・短編の枠をまたいで何度も姿を見せます。脇役でありながら物語の鍵を握る回も多く、読み進めるほど「また黒澤か」と嬉しい発見が増えるタイプの名脇役です。
伊坂ファンのあいだでは、行き詰まった展開をかき混ぜ、突破口を開く“ジョーカー(切り札)”として黒澤を投入するという見方も共有されてきました。作品横断の再登場は単なるファンサービスにとどまらず、一見バラバラの物語が同じ街のどこかで同時進行している——という伊坂ワールド感を読者に渡す鍵にもなっています。
初めて読む人は単独作として楽しめ、既読の人は相関の糸を拾う——跨ぎ読みと再読の両方で効く、伊坂幸太郎入門にもおすすめの小ネタです。
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出典
公式・出版社系の公開情報を参考にしています。詳細は各リンク先でご確認ください。
新潮社 — 『ラッシュライフ』作品ページ
https://www.shinchosha.co.jp/book/125022/空き巣の黒澤が初めて立つ作品のひとつとして知られる長編。
新潮社「波」 — 伊坂幸太郎「立てこもり事件とミステリー」
https://ebook.shinchosha.co.jp/nami/201710_01/『ホワイトラビット』関連の著者コメントで、黒澤が再び登場することに触れられています。
新潮社 — 『首折り男のための協奏曲』作品ページ
https://www.shinchosha.co.jp/book/125031/紹介文に、恋路の調査と盗みで大忙しの泥棒・黒澤が登場するとあります。
新潮社「波」 — 伊坂幸太郎「『単品で勝負!』だらけの贅沢連作集」
https://ebook.shinchosha.co.jp/nami/201402_01/同連作集について、趣向の違う話がグラデーションのように繋がる構成を著者が語ったインタビュー。
honto — 黒澤の魅力が光る小説(ブックツリー)
https://honto.jp/booktree/detail_00010736.html黒澤登場作を横断して紹介する読書リスト。