世界観リンク

作品・制作の裏側

伊坂幸太郎:複数作品をつなぐ「黒澤」という最強のジョーカー

伊坂幸太郎作品を読む醍醐味のひとつが、ある作品の登場人物が別の作品にもひょっこり姿を見せる、というゆるやかな繋がりです。その代表格としてファン人気が高いのが、独自の美学を持つ泥棒・黒澤です。

黒澤は「プロの空き巣」でありながら、「人がいる家には入らない」「無駄な暴力は嫌う」といった徹底した美学を持つ人物として描かれます。なぜか盗みの先で怪事件やトラブルに巻き込まれ、鋭い観察と冷静な判断で(本人の意図とは裏腹に)事態を動かす——泥棒でありながら探偵めいた立ち位置が魅力です。

初登場は『ラッシュライフ』。以降、『フィッシュストーリー』『首折り男のための協奏曲』『残り全部バケーション』『ポスティング女の滑稽な冒険』など、長編・短編の枠をまたいで何度も姿を見せます。脇役でありながら物語の鍵を握る回も多く、読み進めるほど「また黒澤か」と嬉しい発見が増えるタイプの名脇役です。

伊坂ファンのあいだでは、行き詰まった展開をかき混ぜ、突破口を開く“ジョーカー(切り札)”として黒澤を投入するという見方も共有されてきました。作品横断の再登場は単なるファンサービスにとどまらず、一見バラバラの物語が同じ街のどこかで同時進行している——という伊坂ワールド感を読者に渡す鍵にもなっています。

初めて読む人は単独作として楽しめ、既読の人は相関の糸を拾う——跨ぎ読みと再読の両方で効く、伊坂幸太郎入門にもおすすめの小ネタです。

この豆知識、どうでしたか?

1タップで残せます(端末にだけ保存されます)

Quick shelf

記事で触れた本を、そのまま「読みたい」に残せます。購入リンクからは登録なしで楽天・Amazonへ進めます。

Start reading log

本好きの隠れ家で、あなただけの本棚を作りませんか?

メールアドレス不要・1タップで今すぐ始められます。あとから本登録すればデータを引き継げます。

登録不要メール不要あとから引き継ぎ可能

出典

公式・出版社系の公開情報を参考にしています。詳細は各リンク先でご確認ください。

Continue exploring

いま読んだネタの近くから、次の一冊や記事へ。