世界観リンク
作品・制作の裏側伊坂幸太郎:複数作品をつなぐ「黒澤」という最強のジョーカー
伊坂幸太郎作品を読む醍醐味のひとつが、ある作品の登場人物が別の作品にもひょっこり姿を見せる、というゆるやかな繋がりです。その代表格としてファン人気が高いのが、独自の美学を持つ泥棒・黒澤です。
黒澤は「プロの空き巣」でありながら、独自の美学を持つ人物として描かれます。なぜか盗みの先で怪事件やトラブルに巻き込まれ、鋭い観察と冷静な判断で(本人の意図とは裏腹に)事態を動かす——泥棒でありながら探偵めいた立ち位置が魅力です。
初登場は『ラッシュライフ』。以降、『フィッシュストーリー』『首折り男のための協奏曲』『ホワイトラビット』など、長編・短編の枠をまたいで何度も姿を見せます。脇役でありながら物語の鍵を握る回も多く、読み進めるほど「また黒澤か」と嬉しい発見が増えるタイプの名脇役です。
脇役でありながら行き詰まった展開をかき混ぜ、突破口を開く“ジョーカー(切り札)”のような存在。作品横断の再登場は単なるファンサービスにとどまらず、一見バラバラの物語が同じ街のどこかで同時進行している——という伊坂ワールド感を読者に渡す鍵にもなっています。
初めて読む人は単独作として楽しめ、既読の人は相関の糸を拾う——跨ぎ読みと再読の両方で効く、伊坂幸太郎入門にもおすすめの小ネタです。
この豆知識、どうでしたか?
1タップで残せます(端末にだけ保存されます)
Quick shelf
関連する本を本棚へ
この記事は参考になりましたか?
メールアドレス不要。未ログインでも1タップでゲストとして保存できます。
Today's question
今日の1問
Related articles
関連記事
この記事で取り上げた本や作家から、豆知識と特集をたどれます。
- 特集『フィッシュストーリー』つながりの特集伊坂幸太郎の映画・ドラマ化原作
映画とドラマの原作を、新しい順にまとめました。
- 豆知識『フィッシュストーリー』つながりの豆知識伊坂幸太郎×濱田岳:中村義洋監督の伊坂映画に“必ず”出る男
映像化困難と言われた原作を次々映画にした監督と、その世界に溶け込み続ける俳優の組み合わせ。
- 特集同じ伊坂幸太郎の特集伏線回収がすごい小説7選
読み終えた瞬間に、最初のページへ戻りたくなる。構成が語り継がれてきた7冊です。
- 特集同じ伊坂幸太郎の特集「活字中毒の名優」堺雅人が本棚から挙げた4冊
「もともと活字中毒の傾向がありまして」と語る堺雅人さん。本人が本棚から挙げた一冊と、主演原作、そして自著。
- 特集同じ伊坂幸太郎の特集伊坂幸太郎おすすめ作品ガイド|初めて読むならどれから
テンポのよさと人情のバランスが魅力。伊坂作品の入口を整理した読書案内です。
- 特集同じ伊坂幸太郎の特集短編小説おすすめ8選|通勤・スキマ時間で読み切る
長編が続かない日に。一話で区切れる連作短編を集めました。
Use the haven
サイトでもう少し使う
記事を読み終えたあとに、本棚・診断・人気の違いが分かる入口です。
Start reading log
登録不要で、あなただけの本棚を始めませんか?
1タップでゲスト本棚。本を残したあと、メールやXで本登録すればデータを引き継げます。
出典
公式・出版社系の公開情報を参考にしています。詳細は各リンク先でご確認ください。
新潮社 — 『ラッシュライフ』作品ページ
https://www.shinchosha.co.jp/book/125022/紹介文に「泥棒を生業とする男」が登場するとある長編。黒澤の初登場作。
新潮社「波」 — 伊坂幸太郎「立てこもり事件とミステリー」
https://ebook.shinchosha.co.jp/nami/201710_01/『ホワイトラビット』関連の著者コメントで、黒澤が再び登場することに触れられています。
新潮社 — 『首折り男のための協奏曲』作品ページ
https://www.shinchosha.co.jp/book/125031/紹介文に、恋路の調査と盗みで大忙しの泥棒・黒澤が登場するとあります。
新潮社「波」 — 伊坂幸太郎「『単品で勝負!』だらけの贅沢連作集」
https://ebook.shinchosha.co.jp/nami/201402_01/同連作集について、趣向の違う話がグラデーションのように繋がる構成を著者が語ったインタビュー。
honto — 黒澤の魅力が光る小説(ブックツリー)
https://honto.jp/booktree/detail_00010736.html黒澤登場作を横断して紹介する読書リスト。